次の一手 2013 4 6
日銀の黒田総裁が推進する金融政策に関しては、
市場や投資家からは、かなり評判がよいものとなっています。
学者風の、いや評論家のような白川総裁と比べて、
「黒田総裁は、戦国時代の武将のようだ。頼もしい」と、
多くの人から思われたでしょう。
しかし、将来に備えて、次の一手も考えておく必要があります。
今のところ、市場も投資家も、
「大胆な金融政策だ」と、驚いていますが、
やがて、「最初は、すごいと思ったが、
結局、FRBの金融政策を真似しただけではないか」と思うようになります。
それは、市場に、このような声があるからです。
「海外を見れば、株価の指数が、
世界同時好景気だった2007年の株価を上回っている国があるのに、
日本の日経平均株価は、まだ、7割程度だ。
諸外国と比較すると、日本の株価は、出遅れている。
これは、日本の政策当局や日銀が、怠けていただけではないか」
それにしても、安倍政権は、前回と比較すると、
今回は、「誰か、よい軍師を見つけたのか」と思うほど、
上手な政権運営となっています。
前回の時は、作戦もなく、
何でもかんでも手をつけた結果、結局、全滅という形になったと思います。
今回は、作戦を立てて、できるところから手をつけていくという方式ですか。
先進的だが小さすぎる 2012 4 28
日銀の金融政策は、伝統的に、
「先進的だが小さすぎる」というものでしょう。
つまり、外国の中央銀行に比べて、
日銀の金融政策は、先進的な取り組みをしているが、
いつも規模が小さいので、効果が限られるということです。
本当に残念なことです。
これは、長年染み付いた「役人根性」が抜けないことが原因でしょう。
日銀の頭脳は優秀だが、行動は小規模になってしまいます。
これは、秀才にありがちな「秀才病」でしょう。
経済の迷走 2011 1 9
デフレ対策の鉄則は、財政拡大と金融緩和です。
デフレ傾向の下で財政均衡主義に陥れば、
デフレが定着するか、加速することになります。
つまり、「失われた10年」という「日本病」が発症します。
次に、金融政策ですが、
残存期間の短い国債の買取りは、あまり効果がありません。
(残存期間の長い長期国債の買取りが必要です)
そう言えば、一昨年(2009年)の初冬に、
日本政府は、「デフレ宣言」をしたような気がしますが、
あれは、政策なしの「つぶやき」のようなものだったのでしょうか。
なんだか、世界には「日本病」を発症しそうな国がありますね。
それも、ひとつではなく、複数ありそうです。
日本病の確定診断には、以下のような症状が必要です。
名目GDPを気にしなくなること。
実質GDPばかり喧伝するようになること。
このような症状が出たら、日本病が発症している可能性があります。
さて、名目GDPを大きくしたいという気持ちが出たら、
このような難病は、快方に向かう可能性があります。